2017年8月26日土曜日

同じ入場料金なのに


 展覧会の内容も会場も異なるものだけど、たまたま同じ900円という入場料金(と言っても正確には一つは前売りで片や当日券でですけれども)なのに違う印象を持ったものがあったので書きます。

前売りの方は時間がたってしまったけれど万代島美術館を会場に行われた「マリメッコ展」。 もともと“布”に関心がある私。 昨年映画「ファブリックの女王」を視ていたこともあり、その時入手したこの展覧会の予告情報。 映画の方は抜きんでて大きな話題になった作品ではなかったかもしれないけれど、時々新潟でも公開される北欧の作品、味わいに影響してくる光の扱い・色合いに惹かれるものがあって観に行ったのです。ちょっと辛かった。特に一定の地保を築いてからの“人生”が。「ストックホルムでワルツを」を想起させるところがあって。  展示された一つ一つの作品・商品には、時代を作り同時に反映でもあったんだと感じました。その作品が生まれ生きた時代を作品とともに紹介しているものには、時代が変わっても単純に古くなって消えていくだけの物ではない力・魅力を感じました。

 もう一つの方はつい先日行ってきた「萩尾望都SF原画展」 

私自身特定の作品や登場人物に入れ込むという方ではありませんけれど、手塚治虫さん(作品)は別格として好きな作品・作家は何人かいます。世の中のスピードがドンドン速まる中単行本や月刊誌が週刊誌にとってかわられる頃単行本で「11人いる」を知りました。レイ・ブラッドべリという名前もこの作品で初めて知りました。今でも印象深い出会い・作品です。 そんな萩尾望都さんの原画展だからこそわざわざ行ったともいえるんですが、正直展覧会自体にはがっかりしました。

二つを比べてみると、ジャンルは違へど展示物自体の質・レベルに優劣はないと思います。 でも運営に当たっての違いを大きく感じてしまったのです。

展示施設の環境 展示の仕方 スペースそして一番違いを感じたのがかかわっていたスタッフ。運営にかかわっていたスタッフの質が違いました。 萩尾望都の方は図録はおろか展示作品を紹介する印刷物自体ありませんでした。もしかして見落としたのかと聞いてみたらチケット販売そしてもぎりのところにいた複数の人はそんなことを聞かれること自体思ってもみなかったことのようで要領を得ず、呼ばれて対応に出てきたずいぶん大柄の男性は今どき珍しいほどの唾液とニコチンが混ざった独特の臭い・息を吹きかけながら「記念紙誌」発売をアッピールするのが目的の展覧会なので図録というものはない販売している本を買ってくれとだけ言って終わり。宣伝のためだったの!

 人物にも作品にも優劣がないのに展覧会そのものの印象が結果としてなぜここまで違ったのか、作品だけが展覧会を作るのではないといういい教訓でした。満足を感じられるかどうかは作品の質はもちろん大切なことですが、展示会の持ち方・運営の仕方 スタッフの存在も関係してくるのだとわかりました。

 今の時代ですからこの展覧会の入場料金が突出して高いものだとまでは言いません、でも二度と戻ってこない時間も併せてすごく高くついたと感じました。 

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