2020年10月25日日曜日

「悪水」2/3 潟とくらし

 


今回この言葉は、新潟市歴史博物館・みなとぴあ の「博物館ニュース=帆檣成林」 VOL49の特集3、森行人さんによる 企画展「潟とくらし」 を紹介する記事に見つけました。 以下その一部を紹介します。

~ 新潟市には、ラムサール登録湿地である佐潟を始め、福島潟や鳥屋野潟などの潟が有ります。今年、新潟市は国内初のラムサール条約都市候補となりました。~

~ かつて市域を中心とする蒲原の平野部は、多くの潟が存在する低湿な土地でした。先人たちは大変な苦労と共に潟や低湿地に水田を拓いてきました。こうした湿田はたびたび水害を受け収穫を望めないことも多く、「水腐地」の呼称には稲作の困難がしのばれます。水田化されていない低湿地や潟は得るもののない未開の土地のように思われます。

 ~人々にとって潟には三つの大きな役割があったようです。

一つは悪水溜としての役割です。用水で余分となった水や用途のない水を悪水と呼びました。低地の潟は悪水を流す先としての役割を持ちました。大雨が降ると型の水があふれる弊害が生じます。これを防ぐために潟の周囲に囲い土手などと呼ぶ堤防を築きました。ところが堤防は下流域では水の侵入を防ぎますが、逆に堤防の上流側では水を流せず、被害を大きくします。~

さらに、潟の周辺は遊水地の役割を担っていました。西蒲原地域の鎧潟・大潟・田潟を始め多くの潟があった三潟地域では、潟の周囲が遊水地となるためその開発は長らく禁じられていました。

二つ目の潟の役割は用水です。潟は水田に灌漑する用水溜としての役割を果たしました。

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