2019年6月29日土曜日

食育という言葉から考えた その2 1/2  食欲は生命力

私の知る限り、以前の父は食事に関してこだわる方ではありませんでした。それが高齢になり、幸い施設には恵まれたと感謝していますが日常の生活をそれまでのように送ることができなくなり施設に入所することになりました。そこでは、家で見る父とは大きく異なる姿を目にするほどに慣れひたしんで暮らすとともに「あれが食べたいこれが食べたい」「今度来るとき持ってきてくれ」と言う事が多くなったのです。 その後歳を加えるとともに徐々に身体が弱り、救急車で病院に搬送され入院。施設もいくつか変わり、誤嚥性肺炎を繰り返すため経管栄養となってしまいました。それでも、初めて聞くような小さかったころの話、昔口にした食べ物の話などを聞くことができました。 そんなでしたので、せめて匂いだけでもと季節の物や甘いものを鼻に近づけると意識してか無意識か口をパカッとほんとに見事に開けるものだからせつなくなったことがあります。 最後の最後の何か月かはあれが食べたいと話す、それ以上に言葉数自体少なくなり“食べたい”と言っていたころを思うと食べるという事は健康 成長 生きる意欲に直結するほどに大切な行為“食欲は生命力”だなぁと改めて感じていました。 

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