ドナルド・キーン・センター柏崎 開館三周年記念特別講演会 に行ってきました。(2016年9月19日 柏崎市文化会館 アルフォーレ)ちょうどその少し前にドナルド・キーン・センターに行きご本人も来るというその集まりのことを知り、肉声を聴くいい機会と思いぜひ行ってみたいと思っていたのです。
当日朝はあいにくの雨、あとで気づいたんですがこの日はいろいろある日でした。一つは年に一度の敬老の日。もう一つは寺泊の魚のアメ横を通った時、あいくの雨とはいえ連休の中海産物を求める観光客でにぎわうところで、反対を押し切って昨年“安保関連法案”が国会で通った日ということで全国的に様々な取り組みがなされる中ここではスタンディングという形で意思表示する人たちがいました。正直なところうっかりしていました。特にどこのグループにという私ではありませんけれど、こんな悪天候の中で頭が下がります。
特別講演会は、今年2月にドナルド・キーンさんの「石川啄木」が刊行されたということもあって、「石川啄木~最初の現代日本人~」としてドナルド・キーンさんと池田功(明治大学大学院教授・国際啄木学会会長)さんによる記念対談(!)、この池田さんによる基調講演「石川啄木の日記を読む ~キーン先生の啄木日記論を紹介しながら~」そして合唱という構成で行われました。
石川啄木については “たはむれに母を背負ひて そのあまり軽きに泣きて 三歩あゆまず” にその絵を思い浮かべ “友がみなわれよりえらく見ゆる日よ
花を買ひ来て 妻としたしむ” に共鳴したりするものの一般の人たちと大して変わらない知識しか持ち合わせていない私ですが、他の人が時の日本の社会(社会問題 事件)を取り上げたときに石川啄木の言葉を引いてくることに幾度も接する中、その言葉が出てくる背景(石川啄木の)をいつか知りたいと思っていました。
基調講演は、理解しやすい口調でさすがに国際啄木学会会長という内容で網羅的に理解が進みました。その中からいつか知りたいと思っていたことに関して 「~啄木は早熟な青年であった。19歳で結婚し翌年には子供が生まれた。この 早くに家庭を持った 家族を養わなければならないということが(困窮生活)石川の作品に影響を与えた。~」が、社会的(問題・事件)発言につながっていたということがわかり収穫でした。
記念対談は内容以前に、いくら第2次世界大戦前から日本語にかかわってきた人とはいえ日本語で対談する必要があったのだろうかという感を強くしました。内容を問うならば母国語で話してもらったほうがよりいいものになったのではという印象を持ちました。言い方は悪いかもしれないけれど、敬老の日ということもあってか良いおじいちゃんというような持ち上げ方のような気がしました。でもドナルド・キーンさんは十分現役の人だと思うんですけどねぇ。
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