2013年2月20日水曜日

崇高な思い 行動の人  高野悦子さんが亡くなりました

  高野悦子さんが亡くなりました。
  先日亡くなった大相撲 大鵬関の“巨人 大鵬 玉子焼き”ほどではなかったかもしれないけれど大勢の人がその名前を知っていた人ではないでしょうか。
  亡くなったことを報じる記事は何紙にも掲載されました。その後も故人にかかわりのある人の悼む記事を目にするたびにその功績の大きさを再認識しています。
 

  高野さんは、みなさんが知っているように岩波ホールにてエキプ・ド・シネマの運動を繰り広げた人です。 当初、制作する側を目指していましたが、時期が早すぎたのでしょうか、めぐり合わせ 縁だったのでしょうかかないませんでした。
  国や系列、配給会社にとらわれず作品本位で多くのすぐれた作品・監督を発見 紹介できたのはこの出自が大きく関係していたんじゃないでしょうか。

 シネマ・ディクト=私が入っていたグループの自主上映100回記念でアンジェイ・ワイダ監督の「大理石の男」を取り上げました。
 当時の社会的な事情から一般の商業映画館にかからない作品でしたけれど、100回と言う区切りの上映会、赤字でもやるという思いで取り組んだ上映会。
 でも、ふたを開けてみたら入場を待つ長蛇の列。正直安堵したことを覚えています。
  シネマ・ディクトは映画好きの集まりでしたから、アンジェ・ワイダ監督の名前はもちろん知っていました。未見とはいえ、「大理石の男」が話題になり、その内容もいくらかでもわかっていました。
 とは言え、岩波ホールの働きがなかったらどうだったでしょう。 この作品に限らず、知られないままの作品が多くあっただろうことに異を唱える人はいないと思います。

  最後にエキプ・ド・シネマ運動の4つの目標をここに記しましょう。
・第3世界の名作 大手配給が取り上げない欧米作品の紹介。
・名作の完全版の紹介。
・日本の名作を世に出すお手伝い。
・作品を育て、作り手を育て、観客を育てる。  

 そして 暴力や戦争を肯定する作品は上映しない という視点を忘れない人でした。 ご冥福を祈ります。

0 件のコメント: