2018年9月12日水曜日

防災の日  天災は防げなくても人災を防ぐために 3/3  上




当日実態調査で受け持った避難所は、受け入れ可能人数2,166人となっているN中学校の体育館でした。板敷の床 天の高い伽藍堂の体育館に、2,000人以上もの性別・年齢・事情の異なる人たちがどのように過ごすのがイメージされている数字なんだろうと感じます。

災害時トイレの事は切実な問題です。健康問題、生活の質にも大きく影響する課題です。 そのトイレ、避難所として使用できる体育館併設の物は、和式2洋式1の組み合わせで男女各1。(校舎にあるトイレは、授業・生徒に影響するので避難してきた人たちは使用不可だそうです。 災害直後から授業を再開するのか。落ち着いてきて再開できるようになっても、避難してきた人たちはより環境のいい施設・住居に次の段階として移るのではなく、日にちが立ってもこの環境にそのまま居続けるという事しか想定されていないのか。避難生活が長期になった時の次の段階はどう考えているのでしょうか。)   水道は一か所で蛇口が4個。(正確に言うとトイレにももう一個ずつあり) 受水槽がありましたので、水自体は停電でもタンクまで行けば手に入ります。ただ普段が600700の規模の学校ですから2000人規模だとどれくらい持つものでしょうか。ちなみに、井戸はないそうです。 学校プールには水が張ってありました。

施設と共に備蓄・物品のチェックもしました。 食料 水の備蓄は無。毛布の入った段ボールが5箱。 暖房器具は、電気がなくとも使える家庭用の反射式石油ストーブ1台。保管上の安全のためか、ここに石油は見当たりませんでした。(学校の物として、体育館での式や授業時に使用する大型の暖房器具がおそらくあるはずですが、その説明はありませんでした。 この大型ファンヒーターは電気がないと作動しませんし、時期によっては石油がないかもしれません。)  コンロが34器。これはその昔に野外の催しなどで使ったものがたまたま捨てられずに残っていたという事情のようでしたが。ただしプロパンガスボンベはなし。 個人家庭で鍋をするときに使う火口一個の卓上カセットコンロが一個。それに使用するカセットガスボンベは、カセットガスで使用できる簡易発電機と共用で3本のみ。 この簡易発電機は、ボンベ2本で最大0.9kwの電気を1~2時間発電するというもの。 コンロもガスボンベも発電量もこの規模・人数 想定に対してはどう考えても足りません。



 平時に何時起きるかわからない災害に備えてというのが難しいことだというのは心情的にはわかります。災害時 物資は他の地区から運ぶという想定になっているのでしょう。 でも、災害直後各避難所に一斉に給水車や食料 暖房 衛生 衣類、仮設トイレ設置なんてことは物理的に無理な話。 

確かに対策は練っている、でもそれが実際のところどうなのかという事を思います。 態勢も物も、結局は落ち着く()まで(個々人の努力と忍耐で)我慢してください・・・といういつものパターンなのかと思ってしまいます。

0 件のコメント: