2013年11月26日火曜日

「すべては君に逢えたから」「ラブアクチュアリー」を観ていて思い出した黒沢監督「7人の侍」で描き出された日本


邦画「すべては君に逢えたから」を観てきました。

私も気に入っていて繰り返し観ている一本。これからクリスマスに向かい一段と関心が高まるだろう「ラブ・アクチュアリー」のリメイク、日本版だろうと言うことは容易に想像がつきました。

お手並み拝見というところです。

 

この配役 エピソードはラブ・アクチュアリーだとどれかな?あれかな?と思い浮かべながら観ていました。

エピソード 登場人物の相関は、これがなければ絶対ダメというわけではないけれど、ラブ・アクチュアリーのラストの清々しさのことを思うとつながりが少し稀薄、鮮やかさに今一つかなぁ。

いつものわざと止まって口を半開き、表情もないというゆうのはあまり気にならなかったかな。

照明の色合いが違うことは結構はっきり感じました。
 赤みが増しているというか、実際セットの大きさも違うんでしょうけど奥行き広がりが描けているように感じました。

 

一番感じたのは“湿り気”かなぁ。


最初のうちはどうしてもラブ・アクチュアリーと対比するように見ていたのですが気づいたんです。
 黒沢監督の「7人の侍」この時の逸話を思い出しました。

実際はこの日本の「7人の侍」をリメイクする形で「荒野の7人」をはじめ「黄金の7人」などの作品が作られる時間軸なわけですが、黒沢監督はアメリカ・ハリウッドの西部劇を念頭にそれを超えようと考えたそうです。

それで行き着いたのが、荒涼とした西部、乾燥した空気感と違うのは“水”と言うところに気付いたんだそうです。

それを基に作られたシーンがあの土砂降りの中での合戦シーン。

なんでも消防車が総動員されてのあの土砂降りだったそうですが、刀を持つ手はすべる、みるみる泥沼になる、確かにすごいシーンだと思います。

 

と言うことを考えて来て、確かに差異はある、でもそれは俳優の力の差・演出の差だけではなくて、文化の違いもあっての事なのかな、そうとらえるべきなんだろうなぁと思った次第です。
 
だから“どちらが”というのは言えないのを承知であえて言うならば、もちろん悪いわけじゃなくて個人的な好みとしてだけど「すべては君に逢えたから」よりは「ラブ・アクチュアリー」の方がお勧めかなぁ。
 
 
*東山魁夷さんの作風も同様の発想がありますね。

0 件のコメント: