2018年12月26日水曜日

P15-10 家庭用の冷蔵庫があるだけで(氷がつくれるというだけで)商売ができる


  
ある晩このお宅の五歳の女の子が熱を出してしまいました。 ぐったりしている本人が一番つらいのは当たり前ですが、周りの人 特に親の切なさはいかばかりかと思います。 台所の20ℓ入りタンクの生ぬるい水で濡らしたタオルを額に当てますが熱は下がりません。あれっ と思いました。「なんで氷で冷やさないの!?」こちらではこういうやり方なの?とも思ったのですが、聞いてみたら真相は「氷がない 氷の作れる冷蔵庫がない」でした。 明日になったらお店で氷を買うとのこと。 どこから摘んできたのか、ミントみたいな葉っぱをスプーンの背で押しつぶした汁を口に含ませるだけで医者に行く様子もありません。女の子は、もともとぐずっていたのに苦かったのか泣きだしてしまってこちらもつらい夜でした。

明けて早速氷を買いに行きました。 行った先氷を売っている所はお店なんてものじゃなくて普通の家。小さな厚紙に「ICE FOR SALE」と書かれたものが金網に縛り付けられていなければ私にはわかりません。氷の他にも扱っているものがあるのかどうなのか。 さて氷。売っている氷は、太めのバナナが入るくらいのビニール袋に水を入れて口を堅く縛り凍らせただけのもの。「こんなの冷蔵庫さえあれば自分の家でできるじゃない」と思いました。商売で氷屋さんをやっている規模じゃなくて、ただ水を凍らせるだけでも商売になるという事を初めて知りました。

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