2013年12月29日日曜日

真宗大谷派 善性寺 「2013 お盆便り」 より



盂蘭盆=古代インドの言葉でウランバナ 真実に逆らって生きていることがそのまま自分も他人も苦しめていると言うこと

 


昨年暮れの衆議院選挙で自民党は大勝し与党に返り咲き、「戦後レジーム(体制)」からの脱却、「憲法改正」「国土強靭化」「過去の歴史認識」「靖国参拝」「原発輸出」「日本を取り戻す」を持論とする安倍総理を立てて、「アベノミクス」と呼ばれる金融緩和で一気に「円高」「株高」をなした実績を持って7月の参議院選挙をも大勝し、ついには「集団的自衛権」をも行使しようともくろんでいます。

北朝鮮の核開発疑惑、中国・韓国の領有権や反日感情を背景に待ってましたと言わんばかりの姿勢は欧米にも批判の声が挙がっています。過去に自国・他国に多くの犠牲を強いた人間の最も愚かな行為である「戦争」をしたいのでしょうか?

東日本大震災で放射能漏れを引き起こした原発事故に、今も心身ともに苦悩している人々がいるにもかかわらず、その原発技術を他国に輸出しようとしているような姿勢は「さかさま事」ではないのでしょうか?

世界で唯一の被爆国であるが故に「非核三原則」を堅持してきた日本も、今の国会議員のまだ少数とは言え「日本も核保有の検討」をしてもいいのではと発言する議員さえ出始めました。憲法9条の理念を世界に発信することの方がより大事ではないかと私には思えます。

しかし、その自民党を圧倒的多数(と言っても50%ちょいですが)の国民が支持したのです。さらに言えば真宗王国と言われる地域のほとんどが自民党支持です。そこに明確な思想を持って対抗できる政党のないことが悲しまれます。

「日本を取り戻す」と言われる安倍総理の「日本」とはどういう日本なのでしょう?まさか戦前の日本に戻そうとしているわけではないでしょうが、注視しなければなりません。

私たちが本当に取り戻すべきは何なのか?真剣に考えなければなりません。過去の歴史を称賛するのではなく、学ぶ目を持って過去と今と未来を見つめることが求められます。

一人ひとりの信心の問題として考えるべきことです。


真宗大谷派 善性寺 「2013 お盆便り」 より

 

 先の特定秘密保護法、この度の安倍首相の靖国神社参拝に関して日本国内のキリスト教 を始め仏教団体からも異議の意思表明が出されています。

 今その抜粋を紹介したものはこの8月・お盆に真宗門徒の人たちに配られたものを縁あって入手したものです。

真摯な生き方を日々送っている人なら程度の差はあれ一様に気にかけている事柄が描かれていると思いました。

安倍首相のもくろんでいる事、このところの社会の動きを考えると実にヒューマンな清々しさを覚えます。

 

注 “自民党を圧倒的多数の国民が支持した”については一言あります。

  50%が支持してはいません。選挙の得票率が約50%だったのであり。自民党に投票したのはその内の二から三割に過ぎません。それであれほどの当選議員を獲得できたのはひとえに小選挙区制、選挙制度に問題があるからにほかなりません。

ほんとに問題のある選挙制度だと思います。

目論見の一つ一つが問題だと思います。でもそれ以上に、問題のある選挙で“大勝”しただけなのであって今のおごれる態度、天に唾する態度は必ずや自分に帰ってくることだと思います。

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