年末年始にかかる話題作・
大作の上映が変わり始めたこの時期に、ようやく劇場まで映画を観に行ってきました。
観た作品は、いずれも当初観るつもりのなかった「ジャッジ」と「かぐや姫の物語」。
いろいろ目を通していたら「ジャッジ」の評判が思いのほかよく、一つドタバタもので笑ってみるかと思い出かけることにしました。
そしたら上映時間が、仕事帰りに直接寄るにはずいぶん空いていて、その間になにかもう一本観られないかなと列車時刻表よろしく上映時間のスケージュール表を見てみたら「かぐや姫の物語」がちょうどはまったのでそちらを観てから「ジャッジ」に臨むことに。
「かぐや姫の物語」は、紹介の仕方が高畑勲監督がいかに長い年月をかけて構想を練り制作に心血を費やしてきたか、技術的にいかに苦労したか、他の作品と異なっているか…等々ばかりが目についてどうも今一歩踏み出せないでいた作品でした。どういう、作品なのかストーリー展開なのかなどが私には見えてこなくて今一つ行く気になれずにいた作品でした。
ところがふたを開けてみたらこれがよかったんです。
絵の感じは確かに輪郭線で領域を示すCGの作り方とは違っていました。色付けなどはほんとに大変だったろうなぁ。
背景、特に風景は墨彩画の趣。一幅の絵を観るようで好感を持てましたし、自然、野山を目の前にした時、ほんとに「あぁこんなふうに感じるよなぁ」と思いました。
ふざけているわけではないんだけど一見わざと手を抜いているかのような書き方雰囲気の変え方は同監督の「平成狸合戦ポンポコ」の描き方乗りの調子。ほんとは深刻なんだけど、だからわざとこんな調子にしました、というような感じで、登場人物の表情、描き方は意図的にデフォルメして軽く描いていたり、内面描写・心がよくわかるように描き方分けていました。
幼少のころのかぐや姫の表情はそのしぐさもかわいく、そうそう赤ん坊はあんなだよなぁとほほえましく。時にはきついこともある子ども同士の関係もよく描き出され、都に出てからの心の動きにも伏線としてよぉく描かれていましたし、都に出てからの、才知感じさせる表情もよく描かれていました。
もう少し時間をかけないと私の言葉で言い表しきれない感じだけれど、テーマ、やりたいことに一本筋の通っていた作品だと思いました。全体を通して、何を、どのように描くか、しっかりした作品に出来上がっていたと思います。
ひょんな事から、思いがけず観ることになった幸運を感謝する作品になっていたと思います。
「ジャッジ」のほうは、意外なほどストレートでまじめな作品。
もちろん笑いを取るような所はありました。けど、もう少しあく強く演じていたら、突っ込んでいたら、テンポが違ったらと思う感じで、印象としてドタバタものには思えませんでした。
期待していた笑いというより、グッとくる感じかな。
劇中、特に後半結構長回しで演説(台詞)を言うシーンを観て、言ってること・言いたいことがダメではないんだけど、話かた伝え方としての演説の技術がどうもねぇ。
映画としての演出もあるのかもしれないけど、間合いと言うかテンポが悪いんですよ。
日本人は演説がうまくない人種なんだなぁと改めて思いました。
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