2014年9月20日土曜日

スコットランド独立住民投票 辺野古に見る民主主義の成熟度


注目を集めたスコットランド分離独立可否を選択する住民投票が終わりました。
投票結果について良かったかどうかについてではないのですが、私は投票日に向けての運動の進め方そして結果の受け入れかたに日本とは全然違う民主主義の成熟度を感じていました。
ニュースでの扱われ方を見ていると独立賛成派の扱われ方のほうがより大きく勢いがあり優勢だというような印象がありました。独立派のリーダー・スコットランド民族党代表の評判もよく、これはほんとに独立が選択されるかもしれないと良くも悪くもみんなが身構えていたくらいでした。国としてのイギリスの代表・首相の、強権発動ではなく呼びかけ訴えるという態度も私は正直なところ驚きました。
結果は、思いもかけない大差で独立に反対派が勝利を収めるということになったわけですが、私はこの結果の受け入れかたに驚きと言ってもいいほど日本との違いを感じていたのです。
投票結果を受けてスコットランド民族党の代表は会見で“結果を受け入れる。双方がこの結果を受け入れ力を合わせよう。”という風に話したのです。私はここに民主主義の日常生活への定着と、たとへ自分の意にかなう結果でなかったとしても制度・民意の反映としての投票結果を受け入れるという制度としての民主主義・意思決定の手段としての投票制度の定着を感じたのです。
 
翻ってわが日本の現状・到達で改めて感じたのが、昨年の特定秘密保護法、原発問題 3・11、憲法レベルの方針転換を国民にも国会にも図ることなく一内閣での解釈変更で無理押ししてしまう。そして沖縄・辺野古を巡って選挙で何度も何度も示された民意を全く顧みないで「よく説明して理解してもらう」とか「予定通り粛々と進める」を繰り返すばかりの国・行政責任者の振る舞いです。
報道によると、つい最近、沖縄返還交渉の時のアメリカ合衆国側の担当官が47年ぶりに来日したんだそうです。その人が、沖縄も返還後は日本本土同様に基地撤去を求めてくると思っていたらそのような申し出がなかったという当時のことを引き合いに出しながら、今の沖縄・辺野古の現状を視察して「日本の政府は辺野古の状態をアメリカに伝えるべきだ。」「日本政府がちゃんと伝えることをしていないからアメリカはこの現状を知らない。」と言い。さかのぼって「普天間基地返還が決まった時、同時に移転先はないと主張すべきだった…」という発言をしたのです。投票に示された民意に一切お構いなしに最初から結論ありきで事を進めている政府はいったいどこの国(国民)の代表・政府なんだ、とほんとに思います。
 
 国民のレベル以上の政府は生まれないというようだけれど、まったくもって情けない。選挙・投票によっての意思表示、その反映がなされない、制度が機能しない→手段がないということをみんなが思ってしまった後が怖くなります。
 合わせて、選挙・投票前になると必ず映像に流れる「どうせ変わらないから(投票に行かない)」なんて発言にはほんとに情けなくなります。国民の側もせっかくある選挙制度をちゃんと活用しないのはほんとにほんとにもったいないことだと思います。そう発言する人のほとんどが実際のところ何かしての末にそう考えるに至ったわけではない人だろうことが見え見えだからほんとにそう思います。

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