国際児童青少年芸術フェスティバルでカナダのグループ コープスによる「ひつじ」を観て来ました。(7月29日・金)
この演目、一言でいうと 羊の着ぐるみを着て仕草をまねて 見せるというもの。
着用している着ぐるみは、そのつもりであればもっと精巧にそっくりにできたと思います。
でも実際には随分デフォルメした造り。
ところがこれが、俳優の動きと相まって羊なんですよ。
もちろん目の前で動いているものは人が演じている物のはずなんだけど、頭の中にできあがった物は羊なんですよ。
その場にいた人たちの頭に浮かんだ格好はそれぞれだったかもしれません、 でも確実に羊を イメージさせましたね。
そっくりに作られた物を着て終わりじゃなくて、あえてデフォルメして作ってそこに俳優の演技を加わえて完成させるというわけです。
もちろん詰めかけた観客は驚きで歓声を上げたり破顔で喜んだり、大好評でしたね。
私も休みを取って観にいった甲斐があったと満足できました。
それというのは、観て楽しめただけでなく、感心することそうだそうだと共感することがいくつもあったから。
視野の中で、特にその端のほうで不意に動く物があると、自然な反応として思わず視線がそっちに行ってしまうもの。
会場には反応のすばらしい かわいい観客たち。
演じる俳優達の視線は、どこか一点に合わせるというよりどこにもあわせない感じ。
演じきってましたね。
特にオオカミ役の人は別フロアーの奥まった、ひつじ達を観ている人たちからは見えないところから演技にはいっていました。
実際のところ、そうしたからといって気づく人がどれだけ居るかわわかりません。だけど“気”が違うんじゃないでしょうか。演じている方も乗りが違うと思います。
そうだよなぁ と思ったのは。
一応正面はあるんですが、羊を放しておくサークルをみんなが囲んで観劇するようなスタイル。
ひつじ達もそれぞれがそれぞれの向き、場所で演じていました。
それでいいんですよ。みんなが横に並んで正面を向くだけ、お尻を向けちゃだめなんて事はないんですよ。
我が意を得たり という思いでした。
全体を通しての印象は、コンテンポラリーダンスを観ているようでした。
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