20世紀後半の映画作品がこのところ立て続けに初DVD化されています。それも私が好むタイプの。
おそらくは、たくさん初DVD化されている作品の中に、たまたま私の観たい作品が続いただけなんだろうけど。いずれにしても嬉しい。
先日の「バベットの晩餐会」も期待どおりすごく良かったし、このたび入手した「すばらしい大戦争」もそう。
この作品、1970年の封切り当時、音楽(歌)とすごく印象的なシーンがテレビの情報番組で紹介され、観たい!と思った一本なんです。
1970年頃というと、新潟にはグランド劇場と言う2階席もある大きな封切り館がありました。
この劇場がどの作品をかけるかが、ここから北の上映作品を決めるとまで言われた劇場です。
劇場は、外にチケット売場の窓口があり、ドアを通って中に入ったところでモギリの女性にチケットを切ってもらうとそこは天の高いロビー。正面は一階席の入り口。右は2階へつながる階段。左には映画パンフやお菓子・飲み物のお店。
当時は、封切り館だけでもほかに、東宝 東映 松竹(邦画系・洋画系2館) 大映 日活と大きい映画館がいくつもあったんですけどこの作品はかからなかったんですよ。
そんなわけで、通してこの作品を観るのはこのたびが初めて。個人的にも、社会的にもさまざまな軋轢も進歩もあった60年代。(たとえば公民権運動。)たくさんの困難 混乱があったけれど、力を合わせ行動すれば何かが変わる、と確信できた時代でした。
でも、映画にもなった1969年の「ウッドストック」のあと1970年代に入ったら、社会全体が不思議なくらい一気に熱が冷めてしまったような感じがしました。実はベトナムといいチリといいいろんなことがあったんだけど、60年代の揺り戻しの時期だったのかもしれません。
さて。
映画「すばらしい大戦争」。元々は舞台作品だったということ、後に監督としても一流になったリチャード・アッテンボッローの監督第一回作品というのも今回初めて知りました。
映画の作りは、元は舞台作品、初めて監督する、そしてミュージカルと言うのが大きく影響していたように思いました。 動き(限られたスペースの舞台でも使える)展開(時間 ・場所)比喩(暗示させる)などで、舞台を観ているかのようなところ、映画の作り が良くも悪くも両方取り入れられていました。
作品の出来・感じとしては「ヘアー」を思い起こしてもらうとイメージがつかめるかな。さすがに重厚さはこちらのほうがありますけど。
ずっと印象に残っていたあのシーンは一番最後にでてきました。途中、真っ白な十字架を満載した荷車が出てきて ここか!と思ったんだけど、結局一番最後でした。
どこまで続くのかという広い広い緑の丘。そこに整然とならぶ白い十字架。ラスト。カメラは空高く引き、緑と白の対比が視覚的にはきれいとさえ見えます。
だけど、今回本編をずっと観た後だと、それだけ人が命を落としたんだなあと、昔このシーンを観たときとは異なる思いで観終わりました。
テーマも描き方も少し重い感じなので、楽しく何度も観るタイプの映画ではありませんでした。だから新潟に来なかったんだろうなと今更ですが納得。
でも見応えありました。
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